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【垂れ乳防止】乳房下垂の原因と予防策

バストを美しく見せるためには、ボリュームだけでなく、胸の形やバストトップ(乳首)の位置が大きく関係しています。
実際、同じ乳房の内容量でも、バスト位置が高く、きれいな丸い形を保った胸の方が、すっきりと若く見えるはずです。

そこでこの記事では、一般的に”垂れ乳”と呼ばれるような、乳房下垂の主な原因を解説。

さらに、”垂れ乳”を防止し、なるべく上向きのツンとした美しい胸をキープするために、今から実践できる予防策について紹介します。

医療監修者プロフィール

監修者名 稲葉 岳也
専門 耳鼻咽喉科・皮膚科
・アレルギー科

HP

いなばクリニック

資格

日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医日
本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

プロフィール

東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士取得。
東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。
皮膚科・形成外科領域のレーザー治療、及びアレルギー疾患の総合的治療が専門です。
皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、アレルギー科を主体として、幅広い視点で総合的な診療を行っております。
レーザー機器を導入した医療を行っており、幅広い年齢層を対象としたホームドクターとして、地域密着の診療に尽力しております。

バスト内部の構造

乳房下垂の原因について知る前に、まずはバスト内部の構造をきちんと理解しておきましょう。
乳房は主に、乳汁を分泌する役割を持つ乳腺という器官と、その周囲を保護するように包んでいる脂肪組織から成り立っています。

そしてその乳房を、胸部の皮下にある皮下筋膜の「浅葉」と「深葉」の間で繋ぎ止め、上下から吊るすような形で支えているのが、クーパー靭帯(乳房提靭帯)と呼ばれる結合組織です。
クーパー靭帯は、線維芽細胞、そして線維芽細胞が生み出すコラーゲンなどの膠原線維を含んだメッシュ状の組織で、乳房全体に放射状に広がっています。

このクーパー靭帯が、乳腺組織や脂肪組織をまとめるようにして支えることで、乳房は形作られています。

乳房下垂の原因とは?

乳房下垂
一般的には”垂れ乳”と呼ばれるような乳房の下垂は、主に以下の4つが原因で起きるといわれています。

・加齢
・皮膚の伸び
・クーパー靭帯の伸び
・出産

加齢

乳房下垂の原因の一つは、加齢による変化です。
年齢を重ねるとともに、ホルモンバランスや、乳腺と脂肪の構成比率は変化。

特に、更年期に入ると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少し、乳腺の萎縮が始まるといわれています。
脂肪組織は柔らかいため、張りのある乳腺組織の支えを失うと、胸全体がしぼんで垂れたように見えてしまいます。

さらに加齢とともに、皮膚の伸縮性と柔軟性が低下し、復元力がなくなることも、乳房が下垂する原因です。

皮膚の伸び

立っている時も座っている時も、女性のバストは常に重力の影響を受けています。

そのように下へと引っ張る重力の影響や、バストサイズの急激な変化などで、皮膚が伸びてしまうことも、乳房下垂の原因の一つです。

特に、乳房全体が重ければ重いほど、重力の影響を受けやすく、その結果、皮膚の伸縮性が低下してバストが下垂してしまいます。

クーパー靭帯の伸び

乳腺や脂肪組織が脇に流れないように支え、乳房の丸みを作っているクーパー靭帯が伸びてしまうのも、乳房下垂の一因です。
クーパー靭帯は、加齢変化による筋力やコラーゲンの減少や、重力などの影響によって、年齢とともに次第にゆるみ、伸びやすくなっていきます。

しかし、それだけでなく、バストサイズの急激な変化や、運動による”揺れ”などの刺激、力任せのバストマッサージなども、クーパー靭帯を痛める原因です。
クーパー靭帯が伸びると、乳房が支えられなくなってしまうため、乳房の下垂につながります。

出産

産後は、上記で紹介したような原因が重なるため、特に乳房下垂が起きやすくなります。
まず、妊娠期・出産期は、更年期と同様にホルモンバランスが大きく変化するため、それにともなってバストの脂肪の構成比率や組織が変化。

そのほか、授乳のために乳腺が発達することで、一時的に乳房の重量が増加します。
それに合わせて、クーパー靭帯も皮膚も引き伸ばされますが、授乳後、乳房は急激にしぼむため、余った皮膚と伸びたクーパー靭帯が、乳房下垂の原因となります。

垂れ乳を予防するには”クーパー靭帯”が鍵

乳房下垂、いわゆる”垂れ乳”を予防したいなら、クーパー靭帯をいたわる習慣を身につけることが大切です。
なぜなら、加齢や妊娠・出産による体の変化によって胸が垂れてしまうのは、ある意味仕方のないこと。

それに対して、クーパー靭帯は、体内の変化だけでなく、運動による”揺れ”や重力など、体外からの影響も受けやすくなっています。
つまり、加齢や出産など自然現象の一種による乳房下垂とは異なり、クーパー靭帯の損傷が原因となる乳房下垂は、外部から刺激に気をつけることで、ある程度の予防が可能です。

一度伸びたり、切れたりしたクーパー靭帯は元に戻らない

クーパー靭帯は切れたり、伸びたりしても、痛いなどの自覚症状はほとんどありません。
さらに、クーパー靭帯はコラーゲンを主成分としているため、一度伸びてしまうと、元に戻らないのが特徴です。

このため、クーパー靭帯の損傷による乳房下垂を防ぐには、普段から意識的に予防することが何よりも大切になります。

クーパー靭帯が伸びきってしまう原因は?

クーパー靭帯が一度伸びてしまうと、もう元に戻らないのは一体なぜなのでしょうか?
本来、クーパー靭帯には、強い伸び縮みに耐える力が備わっています。

しかし、長時間にわたって外部から一定の刺激を受け続け、その大きさや頻度がある一定の許容範囲(閾値)を超えると、この力が急激に低下。
クーパー靭帯は伸びきった状態となってとたんに元に戻らなくなり、乳房を支えられなくなってしまいます。

つまり、加齢や出産などの経験だけでなく、こういった外部刺激による蓄積が、年月を経て乳房の下垂につながると考えられます。

クーパー靭帯が伸びるスピードを遅らせることは可能

残念ながら、このクーパー靭帯という組織は、筋肉のように鍛えることができません。
しかし、普段からできるだけ強い衝撃を与えないなど、乳房をいたわることを意識すれば、クーパー靭帯が閾値に達するスピードを遅らせる自体は可能です。

クーパー靭帯の負担を軽減するには?

なるべく日常生活におけるクーパー靭帯の負担を軽減すれば、クーパー靭帯が伸びるスピードを遅らせることができ、ひいては乳房下垂の予防につながります。
簡単にできる具体的な対策としては、スポーツブラやナイトブラの着用など、シーンに合わせたブラジャーの着用が効果的です。

スポーツブラの着用

運動時のバストの”揺れ”は、クーパー靭帯にダメージを与える主な外的要因の一つです。

普段身につけているブラは主に、日常生活に起きる小さな揺れや動きからバストを守るための設計となっています。
運動時のように上下左右に激しく揺れる動きを想定して作られているわけではありません。

このためランニングなどの上下運動や、トレーニングやダンスなど、特にバストが激しく動くような運動をする場合は、スポーツブラの着用がおすすめです。

スポーツブラは、運動時の”揺れ”を抑えることに特化した設計となっているため、クーパー靭帯への負荷を軽減してくれる効果が期待できます。

ナイトブラの着用

重力による影響も、クーパー靭帯にダメージを与える主な外的要因の一つです。
「昼間はブラを着用しているけど、夜はノーブラ」という方も多いかもしれませんが、実はバストは、就寝時も重力による影響を受けています。
寝ている時は、姿勢によってバストが上下左右に動くため、安定しません。

さらに、横向き寝など寝方によっては、バストを上向きに吊り上げているクーパー靭帯を痛めてしまう可能性もあります。

このように、体のあちこちに流れるバストを適切な位置にキープし、重力によるクーパー靭帯への負荷を軽減するには、就寝時専用のナイトブラの着用がおすすめです。
寝返りや重力によってバストが脇へ流れたり、形崩れが起きるのを防ぎ、クーパー靭帯を保護する効果が期待できます。

そのほか、胸の形を美しく保つためにできることはある?

胸の形を美しく保つために
ここまでは、いわゆる ”垂れ乳”の原因の一つとなる、クーパー靭帯の損傷を予防する方法として、シーンに合わせた適切なブラの着用を紹介してきました。

しかし、その他にももし何か、バストを美しくキープするために少しでも役立つことがあれば、ぜひ今のうちから実践しておきたいものですよね。
そこで、クーパー靭帯の負担の軽減以外にも、胸の形を美しく保つ効果が期待できる行動について紹介します。

姿勢を正す

クーパー靭帯以外にも、バストを保つ役割があるものとしては、乳房の土台となっている大胸筋や、正しい姿勢を維持する背中の筋肉などが知られています。
特に、大胸筋のトレーニングは、垂れたバストを上向きにする方法やバストアップの方法としては、ネット上でよく紹介されているのを見かけますね。

しかし残念ながら、一般的な筋トレ程度では、垂れたバストが上がることも、劇的に胸の大きさが変わることもありません。
その一方で、背中が丸くなると、それだけバストトップ(乳首)の位置は下がるのは確かです。

さらに、長時間のデスクワークなどにより、肩が内側に入る巻き込み肩の状態になっている人はバストが下垂しやすく、その逆で、ダンサーなど、常に姿勢を意識して背筋が伸びている人は、バストも上向きの傾向にあります。
このことから、普段から正しい姿勢を心がけることは、バストを美しく見せるのに効果的だといえるでしょう。

血行促進

血液は、からだの各組織に栄養や酸素を運び、老廃物を取り除く役割があります。
しかし、冷え性などで血行不良の場合だと、体の隅々までじゅうぶんに必要な栄養や酸素が行き渡らず、ホルモンバランスが乱れたり、バストの成長を阻害したりする原因となります。

実際、乳房にも多くの血管があることを考えると、入浴や、ストレスを溜めないなど、一般的に血流を良くするといわれている習慣は、バストを美しく保つのに有効だといえるでしょう。

まとめ

垂れ乳
女性のバストは、思春期から、妊娠・出産、更年期と、一生のうちでさまざまな変化をとげます。
いわゆる”垂れ乳”と呼ばれるような乳房下垂もそのうちの一つで、加齢や出産、妊娠による体の変化がその主な原因です。

しかし、そのほかにも乳房が下垂する原因となるクーパー靭帯の伸びに関しては、重力や、運動による”揺れ”など、外部からの刺激によっても影響を受けます。
このため、なるべくクーパー靭帯にかかる負荷を軽減することが、自分でできる”垂れ乳”防止策。

具体的には、運動時には”揺れ”を抑えることに特化したスポーツブラを、そして就寝時には、寝返りや重力からバストを守ってくれるナイトブラを着用すると、クーパー靭帯の保護に効果的だといえるでしょう。


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