1. コラムTOP
  2. バストケア
  3. 乳がんとは?知っておきたい基礎知識について

乳がんとは?知っておきたい基礎知識について

乳がんとは?知っておきたい基礎知識について

最近、女性の病気として耳にすることが多くなった「乳がん」。
年々患者数が増加しており、若い女性も罹患することから、乳がん検診やセルフチェックで病巣を早期発見しようとする動きも活発になっています。

一方で、乳がんについて気になるものの、「一体どのような病気なのか」「治る病気なのか」「どういった治療をするのか」といったことが分からず、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、知っておきたい乳がんの基礎知識と共に、治療方法や治療費などについても分かりやすくご紹介します。

監修者プロフィール

監修者名 高橋 絵麻
肩書 ヨガインストラクター
乳がん講演家

SNS

https://www.instagram.com/ema.takahashi/

HP

http://living-space-atha.jp/
https://ameblo.jp/mananaoyuilove/

資格

BYA認定骨盤調整ヨガ®︎インストラクター 2005年ヨガスタジオ柳田養成コース卒業 元認定エステティシャン 国際薬膳食育師 BCY乳がんヨガ登録インストラクター

プロフィール

ヨガ指導歴15年。指導した生徒数は6000人を超え、全国でのヨガイベントを多数開催。 また、自身の乳がんを克服した経験をもとに、全国100か所以上で乳がん予防講演を行う。講演後は、『生き方が変わりました!』などの感動の声が届く。乳がん患者とその家族を撮影した、「生きるを伝える写真展」を各地で開催。 企業での乳がんセミナー、執筆やテレビ出演など、乳がんの啓蒙活動を行う。

乳がんとは

乳がんとは、乳房の中の「乳腺」と呼ばれる母乳を作る組織の部分にできる悪性腫瘍です。

乳腺は「小葉」と「乳管」という2つの部位に分かれていますが、乳がんの多くは、この乳管の細胞ががん化することで発生します。

現在では、日本人女性の約11人に1人が罹患すると言われており、女性の部位別がん罹患数では1位を占めるなど、患者数は増加傾向です。

特に年代別で見ると、乳がんの罹患率は30代後半から増加し始め、40歳代後半から50歳代前半でピークになりますが、これは自分で触って分かるほどでわかるほど大きいしこり(1cm前後)に成長するまでに、8~10年ほどかかるということが理由のひとつ。
また、40歳からは検診制度が無料で受けられるために、検査する人の母数が増えるから、という二つの理由が考えられます。さらに閉経後の60歳代前半で再びピークを迎える傾向があります。

基本的にどの年代においても発症する可能性があるため、「若いから」「もう閉経したから」といった理由で油断することはできません。

一般的に、乳がん自体は病巣が小さい内に治療をすることが出来れば、90%以上は治ると言われています。

しかしながら、気付かずに放置してしまうと、がん細胞は血管やリンパ管に入って全身をめぐり、最終的に乳房からは離れた臓器にも転移して重症化させてしまうため、早期発

見・早期治療を行うことが非常に重要な疾患なのです。

乳がんの主な症状

乳がんの主な症状
早期の乳がんは自覚症状が少ないと言われていますが、進行するにつれて自分でも確認できるような症状が出てきます。

ここでは、乳がんの代表的な症状を3つご紹介します。

乳房のしこり

最もよく知られている乳がんの自覚症状と言えば、「乳房のしこり」ではないでしょうか?

もちろん、乳がん意外にも乳腺症など他の病気が原因で乳房にしこりができることもあります。

乳がんのしこりの場合、硬くて触っても動かないといった特徴が挙げられますが、癌が小さいうちは良性のしこりと同じような印象になる場合もあり、触っただけで判別することは困難です。しこりが確認できた段階で、一度病院で診てもらうことを推奨します。

乳頭や乳輪の湿疹やただれ

乳管に発生した乳がんが浸潤し、皮膚の近くに達すると、乳房にエクボのような引きつれが出来たり、乳頭や乳輪部分に湿疹やただれの症状が出てきたりします。

また、乳頭から赤く血の混じった分泌物が出てきたりするなど、がんの進行に伴って乳房内の炎症が表面化します。

乳房の皮膚の赤みや腫れ

乳がんの発症リスクを高めること

乳がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく関わっていると考えられています。

そのため、体内のエストロゲンが多いことや、閉経後にエストロゲンとプロゲステロンを併用するホルモン補充療法などは、乳がんの発生リスクを高めると言えます。

他にも、初潮年齢が早い・遅い方、閉経年齢が遅い方、授乳経験が少ない方なども乳がんの発生リスクが高いと言われており、気になる場合は定期的なチェックを受けると安心です。

また、最近では国際的にも「閉経後の肥満」が乳がんの発症リスクを確実に高めるという

意見が出てきており、体重が増加しやすい閉経後や更年期には注意が必要です。

乳がんを早期発見する方法

乳がんを早期発見する方法
乳がんは病期早期に治療をすることで約90%が治ると言われているため、早期発見が何よりも大切です。

一方で、自覚症状が出にくいという特徴もあり、どうすれば早期発見できるのか心配ですよね。

そこで、ここでは乳がんを早期発見するために受けられる検査や方法についてご紹介します。

マンモグラフィ

乳がんの検査として最も有名なのが、「マンモグラフィ」ではないでしょうか?

マンモグラフィとは、乳房専用のX線撮影による検査方法で、触診では発見できないような小さなしこりや早期の組織変化を捉えることができます。

X線の被爆量もごくわずかであり、自然界から受ける放射線量と比べても決して多くはないため、安心して受けられる検査です。

しかし、病変を見やすくするために乳房を圧迫させる必要があるため、「マンモグラフィ=痛い」というイメージを持っている方も多いでしょう。

実際は我慢できる程度の痛みであり、検査を受ければ病変があるかどうか、そして、良性か悪性病変かもある程度判断することが可能です。

特に、2004年以降は40歳以上の女性に触診とマンモグラフィ検査の併用が推奨されるようになったため、年齢的に気になる方は積極的に受けておくようにしましょう。

一方で、乳腺が多くて乳腺とがんの区別がつきにくい若い女性には不向きの検査です。

超音波(エコー)検診

手で触れただけでは判別しにくいしこりを発見できる検査です。

痛みがなく簡単に受けられる検査ではありますが、診断医師の技術が必要とされると共に、わずかな病変は見つけづらいため、マンモグラフィに比べると、検査の精度は低いと言えるでしょう。

しかし、マンモグラフィには不向きな若い女性や、妊娠中でX線検査が受けられないという方にはおすすめの検査です。

日常的なセルフチェック

確実に乳がんを見つけるためには、医療機関や専門機関で検査を受けることが1番ですが、なかなか機会がないと難しいですよね。

→忙しい方には病院で行われている日曜検診や、ピンクリボンイベントなどの検診車を利用して検診を受けるのもおすすめです。

また、乳がんを発症すれば検査を受けるまでにどんどん進行していく病気でもあります。

だからこそ、日常的なセルフチェックは、定期的な検査と併せて大切な乳がん早期発見の

方法の1つです。
具体的なセルフチェック方法には以下のようなものがあります。

・入浴前に鏡の腕を上げた状態、下げた状態で乳房全体を観察する
(乳房の変形や左右差はないか、えくぼの様なくぼみはないか、ひきつれはないか、ただれはないか)
・乳頭を軽くつまんで血の混じった分泌物が出ないかチェックする
・入浴中に石鹸などをつけて滑りを良くした手を使って、乳房表面にしこりやこぶがないかを調べる
・就寝前に横になった状態で、腕を上げて乳房の内側半分を軽く圧迫しながらしこりの有無を調べる
・同じく横になった状態で、腕を下げて乳房の外側半分を軽く圧迫しながらしこりの有無を調べる

こうしたセルフチェックを月に1回行い、少しでもいつもと違うと感じたら専門医を受診するといいでしょう。
セルフチェックの時期については、生理中や生理前は乳腺が張りやすく、しこりを見つけづらいので、生理終了後7〜10日後あたりがおすすめです。

乳がんの治療方法とは

乳がんの治療方法とは
乳がんは早期発見と早期治療を行うことで、ほとんどが治ると言われていますが、実際にはどのような治療方法があるのでしょうか?

乳がん治療には大きく分けて4つの種類があります。

・乳房部分切除術(温存手術)や乳房切除術(全摘手術)によって、がん病変を直接取り除く手術治療。

患者さんの希望によっては、術後に一部もしくは全摘された乳房を再建する、乳房再建術。(乳がんのステージが低い場合)

・温存した乳房や周辺のがん細胞の増殖を抑制するための放射線治療。

・がん細胞に作用して増殖を抑えて死滅させる抗がん剤治療。

・乳がんの中にはエストロゲンの増殖により、がん細胞が活発になるタイプの乳がんもあるため、ホルモン剤を使用することでエストロゲンが作られないように働きかけるホルモン療法。(ホルモン由来の乳がん患者のみ)

主にこの4つの方法を、がんの進行状態や病巣の位置、抗がん剤が効くかどうかといった患者さんの状態に合わせ、組み合わせて治療を進めていきます。

乳がんの治療費について

他のがん治療と同様に、乳がんの治療には時間とお金がかかります。

特に、乳がんは再発することもあり、一度治療を終えても再度入院したり手術をしたりしなくてはならないというケースも珍しくありません。

このように、手術や抗がん剤治療といった高額な治療が続くとなると、実際に乳がんと診断されてからの治療費が心配という方は非常に多いです。

しかし、日本では治療費を一部負担してくれたり還付してくれたりする支援制度が用意されています。

そこで、代表的な治療費の支援制度について触れておきましょう。

治療費の支援制度とは

代表的な治療費の支援制度には、「高額療養費制度」と「医療費控除」の2つの方法があります。

高額療養費制度とは、医療費支払いの自己負担を少なくする制度です。
病院や薬局で支払った金額が一定の自己負担限度額を超えた場合、超えた分の金額が後で払い戻される制度となっています。

自己負担限度額は患者さんの収入によって異なりますが、負担する金額はずっと少なくなるため、必ず利用したい公的制度です。

医療費控除とは、多額な医療費を支払ったときに、税務署に確定申告を行うことにより、いったん支払った所得税が還付される制度です。

高額療養費制度が保険適用内の治療費について適応されるのに対し、医療費控除の場合は保険適用内外の治療費や入院時の食事代なども対象になります。

2つの方法は併用することも可能ですが、その場合は医療費控除の対象となる金額から、高額療養費制度によって払い戻された金額を指し引いて計算することになるため注意しましょう。

まとめ

女性であれば誰でも、そして、いつでも発症するリスクがある乳がんは、早期発見・早期治療を行うことができれば治すことができる病気です。

そうは言っても、いざ発症したとなれば治療方法や費用などについて心配なことは多いでしょう。

しかし、乳がんの治療方法は日進月歩で改善されていますし、治療費についても公的な支援制度を利用することで、自己負担を軽減させることが可能です。

「もし自分がなってしまったら」と考えれば不安になりますが、まずは乳がんについてしっかりと理解した上で、年齢や希望に合わせた定期検査を受けましょう。

そして、自宅でもセルフチェックを継続して行い、少しでも違和感を覚えたら、すぐに専門医に相談することが大切です。


関連記事

運営者情報

運営会社
株式会社Beautydoors
住所
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-30-3 中御門ビル2階
お問い合わせ
https://www.beautydoors.jp/#contact
会社概要
https://www.beautydoors.jp/